ゴーティエ・ド・コアンシー(読み)ごーてぃえどこあんしー

世界大百科事典(旧版)内のゴーティエ・ド・コアンシーの言及

【聖遺物】より

…聖母ゆかりの品を秘蔵する霊場で作られた奇跡録が成長して,特定場所での記録という性格を失い聖母鑽仰の文学となる場合もあった。ゴーティエ・ド・コアンシーGautier de Coincyの《聖母マリアの奇跡》などがその例である。聖杯伝説は,最後の晩餐で用いられたうえに十字架から滴るキリストの血を受けたという幻の杯の伝説である。…

【聖母奇跡物語】より

…聖母に対する特別の尊崇は,エフェソス公会議(431)以後のことであるが,11世紀以来異常な高まりを見せ,他の聖人伝や奇跡物語を圧倒し,他の聖人伝,奇跡物語や異教時代からの民間伝承のテーマをも吸収しながら多くのラテン語による,後にはそれを翻訳・翻案した卑俗語による聖母奇跡物語が,とりわけ聖母ゆかりの聖地と結びついて輩出する。それらのうち,スペインのゴンサーロ・デ・ベルセオの《聖母の奇跡》,フランスのアドガールの《聖母奇跡集》,とりわけゴーティエ・ド・コアンシーGautier de Coincyのそれ(1218‐28ころ)が有名である。最後のものはこのジャンルの最高の作品とされ,現存写本の多さが当時の人気をうかがわせる。…

※「ゴーティエ・ド・コアンシー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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