世界大百科事典(旧版)内のスコモローヒの言及
【ブイリーナ】より
…ロシアの民衆の間で伝承された一群の英雄叙事詩。キリスト教と異教の相克,遊牧民との闘争など,11~16世紀のロシア史上の諸事件を反映しているが,登場する英雄たちが常に実在人物に比定できるわけではない。異教時代の面影をのこす豪傑たちをうたったもの,キエフ大公ウラジーミルに仕えるイリア,ドブルイニャ,アリョーシャなどの勇士が活躍するもの,グースリ弾きから商人に成り上がるサトコやわんぱく者ワシーリーを主人公とするノブゴロドの市民生活と結びついたものなどに大別される。…
【ロシア・ソビエト演劇】より
…ロシア革命前の演劇はロシア演劇と呼ばれ,革命後多民族国家となってからの演劇は,各地の民族演劇も含め,総称してソビエト演劇と呼ばれてきた。
[ロシア演劇]
ロシア演劇の起源も他の諸国と同じで,古代の民衆の遊戯や儀式が母体となっている。歌,踊り,寸劇,人形芝居,動物の曲芸,手品などすべてをこなした最初の職業芸人スコモローフskomorokhが誕生したのは10世紀であるが,その人気と反骨精神を嫌ったツァーリ,アレクセイ・ミハイロビチは1648年に彼らの仕事を禁じた。…
【ロシア・ソビエト音楽】より
…ドムラdomraは古い名称であるが,現行のものは19世紀に復元された楽器で,ロシア・マンドリンとも呼ばれて親しまれている。古くはスコモローヒskomorokhiと呼ばれる放浪楽士が多くの楽器をもっていたことが知られているが,彼らは17世紀中ごろに教会の大弾圧を受けて絶滅した。 民謡は豊富に伝承されている。…
※「スコモローヒ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」