ストルイピンの改革(読み)すとるいぴんのかいかく

世界大百科事典(旧版)内のストルイピンの改革の言及

【クラーク】より

…ロシア語のクラーク(拳)から出た言葉で,ロシア農村の富裕な層をさす。もともとは主として高利貸,買占人,投機業者などを意味したが,1890年代以降は,農村の資本主義的関係の発展を背景として,他人を搾取する富農を意味するようになった。しかしロシアの大半の富農は,ヨーロッパ的な意味での農業資本家とは異なって,みずから農作業に従事する農民という性格を維持していた。20世紀初頭に最高数(全農家の1/5)に達したとされる。…

【ストルイピン】より

…帝政ロシアの政治家。名門貴族出身でペテルブルグ大学自然学部を卒業し,1884年から内務省に勤務。1902年グロドノ県知事となり,03年2月から06年4月までサラトフ県知事。これら西部諸県での活動は,政府の目をひき,かつ彼の後の政策に大きな影響を与えた。06年4月ゴレムイキン内閣の内相に就任し,ロシア最初の国会運営で手腕をみせ,同年6月,解散と同時に首相となった。07年3月に召集された第2国会が急進的であったので,6月3日,彼は国会を解散させ,同時に選挙法を改悪して,いわゆる6・3体制を確立して1905年の革命にとどめをさした。…

【土地改革】より

…革命と反革命を含む社会変動過程で旧土地制度の廃止や変更を目ざして行われる新政権の政策およびその実施過程をいう。それは,世界史的段階と国際的状況,旧土地制度と当面する変革課題,新政権の階級的背景や力量によって多様である。とくに重要なのは資本主義への移行過程における土地改革であり,その構造は以後の発展過程を規定する基本要因となる。ここではまず20世紀初頭までの西欧およびロシアにおける土地改革を概観し(とくに,先行する土地改革が後発の他地域の改革に与える影響に留意する),ついで第2次大戦後の中国の土地改革について記述する。…

【ミール】より

…ロシアの農村共同体のことで,オプシチナobshchinaとも,オプシチェストボobshchestvoともいう。ロシアでも古くは血縁的共同体が存在していたが,階級社会の成立とともに地縁的農村共同体に発展した。古代ルーシ時代にはベルフィverv’と呼ばれていた。近代ロシアのミールの起源については,ミールを原始的・古代的共同体の遺制とみなす連続説をとる学者と,近代になってツァーリズムが創出したとみなす断続説をとる学者がいる。…

【ロシア革命】より


【再編の行きづまりと第1次大戦】
 ストルイピンの執権のもとで,経済はふたたび好況を迎え,銀行の力が強くなり,ブルジョア文化が発展したが,第1次革命を生みだした矛盾は,成長の中でかえってより深刻化していった。政治的には皮肉なことに,国会と国家評議会は左と右から専制権力を利用するストルイピンの改革路線を妨害し,彼は目的を達しえず,政治的には無力化した中で,11年9月暗殺されてしまった。彼の死後は皇帝を抑えこめる強力な政治家は現れず,皇帝の恣意が徐々に増大する傾向にあった。…

※「ストルイピンの改革」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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