スペイン・ドル(読み)すぺいんどる

世界大百科事典(旧版)内のスペイン・ドルの言及

【銀】より

…17世紀初めまでにヨーロッパでは物価が2~6倍ほど上昇した(価格革命)が,大量のアメリカ銀の流入もその原因の一つである。スペインのペソpeso銀貨(スペイン・ドル,メキシコ・ドルと呼ばれる)の鋳造額は,とくにメキシコに鋳造局が設立(1535)されると飛躍的に増加した。これは南北アメリカとヨーロッパで広く流通したばかりでなく,大幅な輸入超過の対アジア貿易の支払手段として大量にアジア諸国へ流出した(洋銀)。…

【洋銀】より

…洋銀はヨーロッパ諸国の鋳造銀貨(コイン)のことで,16世紀末ごろから中国に流入しはじめたが,貿易を中心に大量に流通するようになったのは,19世紀ことに南京条約(1842)以後のことで,その均質な成分と使用上の便利さから,実質価値を上回るほどの信用を得た。代表的な洋銀はスペイン・ドル(本洋,双柱などと呼ばれた),メキシコ・ドル(鷹銀,墨銀),アメリカ貿易銀(美国洋)などであるが,ほかに日本銀円(日本竜洋,竜番),香港ドル,サイゴン・ドル(サイゴン・ピアストル)なども流通した。銀円(銀元)は洋銀に対処するため,中国国内で鋳造された銀貨で,19世紀末,法定通貨として本格的に鋳造されはじめ,洋銀とともに流通したが,1935年の幣制改革により,通貨は制度的には〈法幣〉にかわった。…

※「スペイン・ドル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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