ツォル(通行税)(読み)つぉる

世界大百科事典(旧版)内のツォル(通行税)の言及

【通行税】より

…【梅原 郁】
[ヨーロッパ]
 中世の遠隔地商人は,遠方の市場を訪れるために多くの異なった支配の領地や都市を通過しなければならず,その際,領内や都市内の通行について規制を受けたり,通行税を徴収されたりした。この通行税の総称が関税(ツォルZoll,古くはマウトゲルダーMautgelder,ウンゲルトUngeldともいう)で,国境を出入・通過する貨物に課せられる今日の関税よりはるかに広く,道路や水路の通行Strassenzoll,Kanalzoll,広場や港の使用Markt‐,Hafenzoll,橋や市門の通過Brücken‐,Torzollに際して徴収された。そのほか,領内を通行する旅行者とその所持品を略奪から守るための護衛料Geleitgelder,旅行中馬車が故障したり転覆したりした場合,土地に触れたものはすべて領主に帰属するという接地物占取権Grundruhrrecht,指定された道路以外の通行を禁止する道路強制Strassenzwangもこれに関連した制度である。…

※「ツォル(通行税)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android