テトラクテュス(読み)てとらくてゅす

世界大百科事典(旧版)内のテトラクテュスの言及

【数】より

…例えば7が神秘な数とされるのは,月齢周期の1/4に一致する事実に加え,10までの自然数のうち最大の素数であり,分割しがたく計算上も取り扱いにくいという性質に由来するといわれる。宇宙は数により支配されるとしたピタゴラス学派は,1から4までの4自然数とその合計である10を図形化したテトラクテュスtetraktysを神聖視した。彼らは創造と終末,生と死を一巡する存在の単位を10と考え,また数の力を具体化させた音楽によって病気の治療をも試みたという。…

【ピタゴラス】より

…〈万物の原理は数である〉と彼がいうとき,世界は量的関数関係から成り立つ数学的秩序をもっているといったのではなく,万物は数の存在分節機能によって秩序立てられ,存在の各層には同一の数の類比関係が働いているということを意味した。このことを象徴的に表しているのが図に示すような〈四元数(テトラクテュス)〉である。この1,2,3,4から成る10個の点は,大宇宙と小宇宙に共通する世界秩序(コスモス)を表す曼荼羅(まんだら)となっており,ピタゴラス教団ではこの図形の前で誓いを立てたと伝えられている。…

【フィロラオス】より

…その弟子アルキュタスを通じて,プラトンの哲学にも深い影響を与えた。1,2,3,4の合計からなる10の数(テトラクテュス)から万有の生成変化を説いた。一説には五つのプラトン立体(正多面体)を発見したと伝えられ,また宇宙に〈中心火〉を想定する独自な宇宙論を案出したのも彼の功績だといわれている。…

※「テトラクテュス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」