世界大百科事典(旧版)内のバイン=マシューズ説の言及
【海洋底拡大説】より
…海洋底が大洋中央海嶺(海嶺)の山頂部で生成され,数cm/年の速さで両側に移動し,海溝沿いで再びマントル内に沈み込むとする学説。世界中の海洋底の合計面積は増加するわけではないが,中央海嶺の付近を見れば海洋底は拡大しているので,こうよばれた。 この考えの萌芽は,1940年代に出版されたホームズArthur Holmes(1890‐1965)の著書中に見られるが,明瞭な形を整えたのは60年代の初めで,ヘスHarry H.HessやディーツRobert S.Dietzらによる。…
【縞状磁気異常】より
…海洋上で観測される磁気異常で,正の異常を黒く塗ると縞状になるので名づけられた。磁気異常は幅20~30km,長さ数百kmで海嶺の両側で対称な模様となる。海洋底が縞状に正負に磁化していることになり,1950年代の最大の謎であったが,63年にバインF.VineとマシューズD.Matthewsによる,海洋底拡大説と地磁気の反転を組み合わせたバイン=マシューズ仮説により解決された。海嶺で湧き出したマントル物質は海洋底となり,海嶺の両側へ拡大していくが,海洋底は海嶺で冷えて固まるときに,その時代の地磁気の方向に自然残留磁気を獲得する。…
※「バイン=マシューズ説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」