世界大百科事典(旧版)内のパレスティナ人の言及
【パレスティナ問題】より
…そこでは,絶えず〈アラブ〉対〈ユダヤ人〉,さらにアラブ諸国対イスラエル(中東戦争における構図)という対抗関係の枠組みによる割切りが押しつけられ,また,棄民としてのユダヤ人のパレスティナ導入がパレスティナのアラブの棄民としての排除をもたらすという形式で,国際的連関構造をもった住民追放が系統的に進められた。こうして〈ユダヤ人国家〉の対極として,世界に離散したディアスポラ・パレスティナ人が形成され,パレスティナ民族主義がパレスティナ問題の克服要因として立ち現れはじめた。 第1次世界大戦後パレスティナの地域的枠組みが画定されたことによって,ユダヤ人国家建設予定地の中に囲い込まれた住民が,自分たちの運命の収奪に抗する闘いの中で,〈パレスティナ人〉となっていった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」