世界大百科事典(旧版)内のビルレーの言及
【イタリア音楽】より
…13世紀には,聖フランチェスコ(アッシジの)の宗教運動と結びついた,典礼外の単旋宗教歌ラウダ(賛美の意)の創作が盛んになった。ラウダの歌詞は当時の中部イタリアの俗語で書かれており,その詩形には,トルバドゥールの流れをくむ北フランスのトルベールによって形の定められたビルレーvirelai(中世フランスの音楽および詩の形式)の影響が認められる。 西ヨーロッパでは,西欧型の多声音楽(広義のポリフォニー)は,遅くとも9世紀の半ばに始まったことがわかっているが,それはその後,フランスの教会音楽を中心に発展した。…
【中世音楽】より
…13世紀には,アッシジのフランチェスコの宗教運動と結び付いた,俗語による単旋律宗教歌ラウダlauda(賛美)が中部イタリアで作られ,同じ頃スペインでは,カンティガcantiga(歌)が作られた。これらの非典礼的宗教歌は,形式的には単旋律世俗歌の一形式であるビルレーvirelai(スペインではビリャンシーコvillancico)と深いかかわりをもち,聖堂外での信徒の集団的な宗教行為(悔悛の苦行など)に用いられた。 初めは修道院中心に発展させられた多声音楽は,ゴシック様式の大聖堂が次々と建築される頃になると,大聖堂の広大な空間にこだまするようになった。…
※「ビルレー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」