世界大百科事典(旧版)内のブキャナン,J.M.の言及
【国債】より
…しかし現実の成果をみると,アメリカをはじめ主要国の財政収支はインフレが続くなかで赤字が継続していった。この事態に対し,アメリカのブキャナンJ.M.Buchananらは,ケインズ理論は賢者による財政運営を前提に構想されており(このことをハーベー・ロードの前提という),デモクラシーのもとでは,財政の決定と運営とが選挙を通して出現してくる政治家による政治決定の所産であることを無視した結果である,と論評している。そしてデモクラシーの政治過程のもとでは,経済が完全雇用にあろうとなかろうと,国債発行による財政支出の拡大は恒常的になり,国債の累積は継続する内在的傾向をもつと判断する。…
【財政学】より
…そこでは官僚制や各種利益団体の演ずる役割も分析の対象とされる,(4)公共経済学が形成されるとき〈財政学を父とし厚生経済学を母とする〉といわれたように,〈市場の失敗〉を含む各種の問題解決に当たり規範分析としての厚生経済学の貢献を評価しようとする。近年では,ブキャナンJames M.Buchanan(1919‐ 。1986年ノーベル経済学賞)をはじめとする公共選択学派の人々が,公共経済学の発展に大きく貢献してきている。…
※「ブキャナン,J.M.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」