プレ・ネアンデルタール(読み)ぷれねあんでるたーる

世界大百科事典(旧版)内のプレ・ネアンデルタールの言及

【旧人】より

…一口に旧人といっても生存期間が長いだけに早期の人類と晩期のものでは骨の形がちがっている。ヨーロッパの旧人でウルム氷期に由来するものを古典的ネアンデルタールまたは単にネアンデルタール人類といい,それより以前の人類を早期ネアンデルタールまたはプレネアンデルタール人類,さらにヨーロッパ以外の旧人(ソロ人,馬壩人,ローデシア人など)をネアンデルターロイドと呼ぶ。
[古典的ネアンデルタール人類]
 最後の氷期であるウルム氷期の初期に限ってヨーロッパに生活していた人類で,いわゆるネアンデルタール人類として引き合いに出される有名なものはこの群に属している。…

【新人】より

… ヨーロッパの新人が出現した過程に関しても諸説あるが,それらは大きく三つに分けられる。第1は,リス・ウルム間氷期のプレ・ネアンデルタールが,ウルム氷期を迎えて新人とネアンデルタール人に分岐し,ネアンデルタール人はウルム第1亜氷期以後間もなく絶滅したとするプレ・ネアンデルタール説である。第2は,原人以後の人類が2系統に分かれ,一方はプレ・サピエンスを経て新人へ進化し,他方はプレ・ネアンデルタールからネアンデルタールとなって絶滅したと考えるプレ・サピエンス説である。…

【プレ・サピエンス】より

…プレ・サピエンスという術語は,ドイツのヘーベラーG.Heberer(1950)によって最初に用いられたが,その代表的な人類化石はフランスのシャラント県フォンテシュバードFontéchevadeの洞窟遺跡の下層から発見された3個の脳頭蓋である。頭蓋が発見された堆積の地質年代は,リス/ウルム間氷期と推定されているが,それにはタヤク文化およびクラクトン文化の石器が伴っているので,プレ・ネアンデルタールより時代的に古い。脳頭蓋,とくに額や頭頂骨の形態が新人に類似し,また眼窩上隆起の発達が弱い点を重視したバロアは,フォンテシュバード人とプレ・ネアンデルタールおよびネアンデルタール人との系統関係を否定し,ヨーロッパの新人はフォンテシュバード人を先祖とするもので,プレ・ネアンデルタールからネアンデルタール人へつながる系列の人類は絶滅したという結論に達した。…

※「プレ・ネアンデルタール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」