世界大百科事典(旧版)内のラディカル・エコノミストの言及
【ラディカル・エコノミックス】より
…それまでのアメリカの経済理論や実証研究の主題は,ケインズの理論をも包含する新古典派総合と呼ばれるものであったが,これは先験的に平等とされる諸個人や企業の集合体として経済をとらえる傾向をもっているため,人種差別などにみられる現実の経済社会における階層構造にまで立ち入って分析を行い,改めるべき点があれば変革のプログラムを提出するだけの内在的契機を欠く面がある。 こうした状況に対応して,新古典派経済学者の一部にラディカル・エコノミストradical economistを自称する人々が現れた。彼らは,階級社会の経済分析に道を開いている海外のマルクス経済学や,アメリカの少数派としてT.ベブレン以来の伝統をもつ制度学派などの方法をも参考にする新しい経済理論の枠組み,すなわちラディカル・エコノミックスを模索し,同時にそのような問題意識から発するさまざまな実証研究を開始した。…
※「ラディカル・エコノミスト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」