ラングロア,H.(読み)らんぐろあ

世界大百科事典(旧版)内のラングロア,H.の言及

【映画】より

…バザンは〈すべての映画は生まれながらにして自由で平等である〉と宣言したのである。また同じころ,いわゆる名作を中心に映画を保存するフィルム・ライブラリーの〈芸術的〉精神とは正反対に,〈映画なら何でもすくいあげる〉ための〈ノアの方舟〉として,シネマテーク・フランセーズを創設したH.ラングロア(1914‐77)の運動も同じ認識から出発したものであった。バザンの下に育った批評家であり映画作家でもあるヌーベル・バーグの影響が世界的に広がるにつれ,やがて1960年代以降,〈映画の芸術性〉よりも,〈映画そのものの探究〉に,人々の関心は向かうようになる。…

【ヌーベル・バーグ】より

…《レクラン・フランセ》第144号)といった先駆的なマニフェストがあったことも忘れてはならない。とくにバザンの影響は大きく(〈作家主義〉という表現を最初に使ったのもバザンだった),彼は,古今東西の映画を上映して映画史を教えたシネマテーク・フランセーズの事務局長アンリ・ラングロアHenri Langlois(1914‐77),〈映画は人なり〉と教えたジャン・ルノアール(ピエール・カストやジャック・リベットは助監督についたこともある),そして〈ヌーベル・バーグ〉の若い作家たちのシナリオを読んでアドバイスを与えたロベルト・ロッセリーニとともに,〈ヌーベル・バーグ〉を育て上げた偉大な父親的存在であった。 〈カイエ・デュ・シネマ派〉の注目すべき活動は,日本映画史における鳴滝組を想起させるような,仲間どうしによるシナリオの合作や映画の共同企画・製作を積極的に行ったことである。…

【フィルム・ライブラリー】より

…映画を収集・保存し,研究・鑑賞に役立てる機関,または教育上必要な映画を保有して地域の利用に供する視聴覚ライブラリーをいう。前者の先駆はH.ラングロアを中心とするパリのシネマテーク・フランセーズ(1936発足)で,古今東西の映画を上映してヌーベル・バーグの誕生にも影響を与えた。アメリカのニューヨーク近代美術館,旧ソ連のゴス・フィルム・フォンドなども著名。…

※「ラングロア,H.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android