ロビンソン,H.(読み)ろびんそん

世界大百科事典(旧版)内のロビンソン,H.の言及

【写真】より


[芸術写真の系譜]
 上述のように当初の写真においては絵画の主題を手本とするのが当然のように考えられていた。O.G.レイランダーの〈人生の二つの道〉(1857)のような寓意的,教訓的な主題による合成写真や,ロビンソンHenry Robinson(1830‐1901)の感傷的な場面の演出写真などが,そうした意味あいから〈芸術写真〉として一般に迎えられ高く評価されていた。それはたしかに技術の水準も高く演出も巧みであり,写真の可能性の一面を早くから開拓した作品ではあった。…

【ピクトリアリズム】より

… ピクトリアリズムの系譜をさかのぼれば,そもそも写真の発明当初の時期における写真家の多くは画家であったから,当然のこととして,画業の延長で写真を考えてその表現を追求したし,また19世紀中を通じて写真はその〈芸術性〉にこだわるあまり,写真独自の特質である現実的な描写を卑俗なものとして,絵画の既成の古典的な様式を規範としていた。初期のそのような傾向の代表的作品としては,O.G.レイランダー(1813‐1875)の《人生の二つの道》(1857)やH.P.ロビンソン(1830‐1901)の《臨終》(1858)があげられる。のち,19世紀の終りから20世紀の初めの時期にかけては,ボケた写真が現実のなまなましさを脱する芸術的な方法だとも考えられて,ソフト・フォーカス・レンズや紗(しや)のフィルターを使って撮影することや,ゴム印画法やブロムオイル法という手加工による操作を加えて印画を作る方法も流行した。…

【モンタージュ】より

…ここでは一応,フォトモンタージュを,既成の写真を合成して別のイメージを人工的につくりだす表現と考えることにする。したがって,19世紀の半ばに写真を既成の美術の主題に近づけようとしたO.G.レイランダーやロビンソンHenry Robinson(1830‐1901)らのイメージ合成術も含まれる。これは,観念的(寓意的,教訓的)な主題を写真によって作像する美術の一変種にすぎなかったが,外界のイメージの技術的な定着からの写真の解放,および人工的合成という手法の先駆という意味をもっていた。…

※「ロビンソン,H.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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