世界大百科事典(旧版)内の一般形而上学の言及
【形而上学】より
…邦訳語の形而上学は《哲学字彙》(1881)以来で,有形の器すなわち自然の形象を超えた無形の道すなわち原理の学の意味であり,形而上の出典は《易経》である。 西洋で哲学の分野に一般形而上学と特殊形而上学との区分を導入したのは,スアレスの影響下の17世紀のデュアメルJean‐Baptiste Duhamel以来とされ,この区分はC.ウォルフに引き継がれる。一般形而上学は第一哲学の系統をひき,存在者一般に共通な普遍的規定を扱い,ウォルフはこれを存在論と呼ぶ。…
【存在論】より
…次は存在者の〈諸区別〉で,〈無限な存在者〉すなわち〈神〉と〈有限な存在者〉とに分かれ,後者ではさらに〈実体substantia〉と〈付帯性accidentia〉等に細分化されるが,全体としては特定の存在者を論じる部門である。スアレスの形而上学はデカルトに影響を与え,またこの2部門はJ.B.デュアメルに影響し,さらにはウォルフの〈一般形而上学metaphysica generalis〉と〈特殊形而上学metaphysica specialis〉との区別に影響を及ぼした。スアレスは〈存在論〉という言葉は用いていないが,上述の最初の部門がのちのウォルフの〈存在論〉の直接の源泉となったといいうる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」