世界大百科事典(旧版)内の万県動物相の言及
【葛生動物群】より
…中部とされるものは,現在,石垣島,西表(いりおもて)島に生息しているセマルハコガメに近縁な化石ガメのミヤタハコガメなどを特徴種とする脊椎動物群で,温暖期のものとされるが,時代はあきらかでない。下部のものは,トウヨウゾウ,ニホンムカシジカ,シナサイ,ヨウシ(楊氏)トラ,ライデッカーイノシシなどで,更新世中期に中国南部に分布していた動物相(万県動物相)と共通なものが多い。1950年に発見され,52年に直良信夫により葛生人とされた一群の化石人骨は上に述べた動物群のいずれに含まれるかはあきらかでない。…
【周口店動物群】より
…チョウコウテン動物群ともいう。北京市郊外の周口店洞窟の堆積物に含まれる化石哺乳類群で,シナントロプス・ペキネンシス(北京原人)と共存していたとされる。ハイエナ,マカイロダス(剣歯虎の仲間),シナサイ,三門ウマ,トロゴンテリウム(ビーバー),楊氏トラ,ナキウサギ,オオツノジカ,ナウマンゾウなどが含まれ,更新世中期の中国北部の哺乳類相を代表する。更新世前期から中期初頭の泥河湾(ニーホーワン)動物群とくらべ,旧北区の要素が強く,冷温帯の森林ないし草原の生活者で,より寒冷,乾燥の環境のものとされる次の黄土動物群に移行する。…
※「万県動物相」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」