世界大百科事典(旧版)内の三世実有説の言及
【小乗仏教】より
… 小乗仏教の論師たちは,まず〈諸行無常〉に関して,無常の構造を明らかにしようと努めた。説一切有部では,この世界を構成する要素的存在として70ほどの法(ダルマdharma)を想定し,これらの法は〈過去・未来・現在の三世に自己同一性を保っている〉と主張し(三世実有説),森羅万象の無常を説明した。これに対して経量部などは,これらの法は〈現在にのみ存在し,過去と未来には存在しない〉と唱え(現在有体・過未無体説),これにより無常を説明した。…
※「三世実有説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」