世界大百科事典(旧版)内の三文体の言及
【文体】より
…3機能を反映する三つの文体(ゲヌス・ディケンディ)の名称は流動的だったから,ここでは仮に番号で名づけ,そのあとに呼称の例を添えておくが,第I文体(単純体,簡素体),第II文体(中庸体,華文体),第III文体(崇高体,壮大体)の3類である。ところが,中世に近づくころには,弁論の3機能との元来の対応関係がなぜか忘れられ,三文体の性格がいくらか変わり(そこには,話しことばから書きことばへという関心の移動も関係している),文体は,機能のかわりに,記述される対象の性質に対応するべきものとして規定されることになった。そうして,中世から近世までの文章作法や詩学の重要な枠組みとして継承される有名な〈三文体〉の説が成立する。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」