下座(歌舞伎)(読み)げざ

世界大百科事典(旧版)内の下座(歌舞伎)の言及

【歌舞伎】より

…黙阿弥の作品は,先輩の鶴屋南北の作風を受けながら,それとは質を異にする。黙阿弥は小団次との提携によって〈生世話〉の写生的作劇と演出をいっそう徹底させる一方,七五調の美しいせりふを朗々と歌い上げ,濡れ場,強請(ゆすり)場,責め場といった場面の描写を写生的に行う反面,清元の浄瑠璃や竹本の利用,さらには下座(げざ)音楽の多様化と頻用など,主情的な音楽劇風の演出を多用した点に特色がある。黙阿弥の作品には,市井の小悪党を英雄化して主人公としたものが多く,みずから〈白浪作者〉をもって任じていた。…

【下座音楽】より

…ただし〈陰囃子〉は,狭義に,出囃子,出語りについて黒御簾の中で演奏される鳴物を意味することが多い。〈下座音楽〉は,昭和の初めごろから〈下座の音楽〉を熟語化していわれるようになったもので,これを職分とする〈囃子方〉は,ふつう〈下座音楽〉とはいわない。〈下座〉は〈外座〉とも記し,本来,舞台上手の役者の出入口〈臆病口〉の前の一角を指し,享保(1716‐36)末期に上方も江戸もそこが囃子の演奏場所となり,そこで演奏される囃子を〈下座〉とも称するようになったところから〈下座の音楽〉〈下座音楽〉といわれるようになったもの。…

※「下座(歌舞伎)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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