不払労働(読み)ふばらいろうどう

世界大百科事典(旧版)内の不払労働の言及

【資本論】より


【第1巻の構成】
 第1~2編で,商品→貨幣→資本のカテゴリーの展開を後づけ,とくに商品の章で〈労働の二重性〉に基づくマルクス特有の労働価値説と〈価値形態〉論とを提示し,やがて〈労働力の売買〉を媒介に第3編以下の生産過程の分析に入っていく。第3編では,1日の労働時間(労働日)における〈価値および剰余価値〉の形成と,剰余価値の〈不払労働の搾取〉としての取得を,第4~6編では,資本制生産方法の展開と,その結果としての賃金のカテゴリーを,第7編では,資本の蓄積が,賃金と剰余価値の運動にもたらす効果と,労働者階級の運命に与える影響を扱っている。
[価値形態と労働の二重性の問題――第1編]
 第1章〈商品〉の分析で,独自の〈労働の二重性〉の規定から労働価値説を基礎づけ,また商品の使用価値と価値(交換価値の内実)の2要因の関係を論理的に記述し,商品を商品として表しまた運動させる価格と貨幣を導き出そうとするところの〈価値形態〉論を展開している。…

【剰余価値】より

…これら資本家と労働者の価値をめぐる関係を表示するものとして,を剰余価値率とよぶ。 また,自分の労働で作ったものは自分のもの,あるいは自分の自由になるもの,という観点にたてば,労働者に支払われたのは必要労働の部分だけで,剰余労働の部分は不当にも支払われず,不払労働ということになり,その部分は,労働者は資本家から搾取されているということになる。こうして剰余価値率は,不払労働/支払労働でも表すことができ,搾取率ともいわれる。…

※「不払労働」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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