世界大百科事典(旧版)内の不換銀行券の言及
【貨幣】より
…この制度が完成をみたのは,1844年ピール銀行法によって保証準備発行制度をつくりだしたイギリスにおいてであるが,19世紀の後半には,先進諸国が同様の制度をとるとともに,国際的にもイギリス,ロンドンを中心にポンド金為替が世界的な銀行券として機能する国際金本位制が確立した。(b)不換銀行券または国家紙幣 兌換銀行券から兌換制度をとり去ったもので,発行される銀行券の全額が政府の保証による。発行量,発行経路,つまり銀行券の管理は金準備に基づきなされるのではなく,政府・中央銀行に負うことになる。…
【銀行券】より
…その後1931年イギリスが金本位制を離脱すると,他の諸国もそれに追随し,ほとんどの国が管理通貨制に移行した。銀行券の金兌換は停止され不換銀行券となったが,いずれの国でも銀行券は引き続き無制限法貨として扱われ,国民の社会的信頼に支えられて最終支払手段としての機能を果たしている。 日本の銀行券の始まりは,1873年(明治6)開業の国立銀行が発行した国立銀行紙幣である。…
【兌換券】より
…本位貨幣(または正貨)との兌換が保証されている銀行券,正しくは兌換銀行券といい,兌換が停止された不換銀行券に対立する用語。政府紙幣も金貨兌換の約束で発行された場合もあったが,結果的に兌換が行われた場合はきわめて少なく,兌換券には政府紙幣を含めないのが通説である。…
【不換紙幣】より
…しかし現在政府紙幣は発行されておらず,いわゆる紙幣はすべてが日本銀行券である。1931年12月金輸出再禁止と同時に銀行券の金貨兌換が停止され,日本銀行券は兌換銀行券から不換銀行券となり,現在に至っている。そのため不換紙幣と不換銀行券の用語の区分があいまいになり,一般に日本銀行券のことを不換紙幣と呼んでいる。…
※「不換銀行券」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」