不穏文書臨時取締法(読み)ふおんぶんしょりんじとりしまりほう

世界大百科事典(旧版)内の不穏文書臨時取締法の言及

【出版法】より

…なお,大正末期に新聞紙法と出版法を統一し,私有財産制の否認などに対し処罰範囲を拡大した〈出版物法案〉が政府により提案されたが,反対にあい成立しなかった。しかし,法案のねらいは,やがて形を変え,36年の不穏文書臨時取締法や41年の言論,出版,集会,結社等臨時取締法として実現することになる。出版法は第2次大戦後占領軍により効力を停止されたが,正式に廃止されたのは49年5月24日のことである。…

【準戦体制】より

…その財源は公債の増発と税制改革による大増税によって賄われ,岡田啓介内閣の高橋是清蔵相が身命を賭して死守しようとした公債漸減政策は馬場蔵相によって放棄され,軍需インフレ傾向と大増税による国民からの収奪が強まった。(3)治安対策とイデオロギー対策におけるファッショ化の進展 思想犯保護観察法(1936年5月29日公布)と不穏文書臨時取締法(同年6月15日公布)が制定されたが,これらの法律は罪刑法定主義の原則を逸脱し,治安当局の恣意によって弾圧が強化されるというファッショ的な性格を有していた。また文部省編《国体の本義》(1937年5月31日刊)は,国民に天皇への〈絶対随順〉を説き,日本主義国体論以外のすべての思想は〈国体明徴〉と矛盾しない範囲においてのみ〈摂取醇化〉が許されることになり,国民思想の画一化が一段と強化された。…

【法制史】より

…法制史は法を歴史的に探究する学問であり,法史学ともいう。日本では西洋法制史,日本法制史,東洋(中国)法制史などの分科がある。なお,法の歴史そのものを法制史ということもあるが,この意味では,日本については〈古代法〉〈中世法〉〈近世法〉の各項を参照。これをうけて本項後段では近代日本の法制を概説した。
[西洋]
 西洋法制史は,中世以降の西洋法制の発展を取り扱う狭義の〈西洋法制史〉と,古代におけるローマ法ないし広く西洋古代諸法を対象とする〈ローマ法〉とに分かれている。…

※「不穏文書臨時取締法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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