世界大百科事典(旧版)内の世界年代記の言及
【年代記】より
…修道院もしくは司教座教会など,由緒あるキリスト教団体を母体とするものが早く成立し,のちに都市,国家もしくは部族(民族),領邦(領国)に及んだ。さらに,これら個別的母体を基礎におきつつも,世界年代記と呼ばれる,ヨーロッパ文明全史とでもいえるものも出現した。 教会および教会内団体史は,カエサリアのエウセビオスらの古代教会史叙述の伝統をうけて,中世のものとしては,セビリャのイシドルス(7世紀),ベーダ(8世紀),マリアヌス・スコトゥス(11世紀)の著作など,早期の例がある。…
【歴史】より
…しかし,ギリシア人のような知的省察によってよりはむしろ,自国の過去と現在を,ローマ市民に,より接近しやすい形で叙述し,正当化したり,ときには非難したりといった価値評価を,強く介入させて論じている。
[キリスト教歴史観と世界年代記]
初期キリスト教とこれを受け継いだヨーロッパ中世にあっては,ヘブライズムの独特な歴史観念を枢軸に置いている。ユダヤ教とともに生まれたこの歴史観は,歴史を始原から終末に至る有限の時間とみなし,すべての事件はその時間展開のなかで位置と意味をもつものと考えた。…
※「世界年代記」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」