世界大百科事典(旧版)内の両面調整石器の言及
【ハンド・アックス】より
…訳名に握斧(にぎりおの)または握槌(にぎりづち)を当てる。用途は未分化であり,おそらく万能な道具として,切る,削る,掘るなどに用いられたものとみられるが,限定できないことから,両面調整石器biface,またフランス語のクー・ド・ポアンcoup‐de‐poingという名称も用いられる。ヨーロッパ,アフリカを中心とした前期旧石器時代の石器に限って用いられ,ミンデル氷期からリス氷期(50万~23万年前)のシェル文化,アシュール文化の代表的な石器であるが,石製ハンマーで粗く打ち欠いたシェル文化のものに比べて,アシュール文化のハンド・アックスには石材よりもむしろ軟らかい鹿角,木といったハンマーによる加工で,調整のいきとどいた芸術作品ともいえる優品がある。…
※「両面調整石器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」