中書省腹裏(読み)ちゅうしょしょうふくり

世界大百科事典(旧版)内の中書省腹裏の言及

【元】より

…もっとも元朝は創設後20年にして南宋を併合して全中国を版図内に含めたから,同じく征服王朝とはいっても,先輩のキタイ遼帝国,ジュルチン金王朝なみの簡単な統治様式ではすまされない。 首都をモンゴリアのカラコルムから漢地の燕京(現,北京市)に移し,国号を大元と称し,中統と建元した元朝は,いよいよ中国内地に乗り込んで全領域の統一支配に着手することになるのであるが,その場合,金国の故地たる漢地こそが新国家の基盤であり(漢地を中書省腹裏と称して中央政府みずからが直轄するという前例のない統治制度),政権を担当すべき高級職官はひとり譜代関係をもつモンゴル,色目,漢人に限る(百官の長はモンゴルもしくは色目人をもってし,根脚ある漢人はこれに準ずという特異な官制)という統治綱目が鮮明にされた。この体制の下にあっては,かつての本土であったモンゴリア(達達地面)と南宋の故地たる江南が政局中枢部から疎外されるのは必然である。…

※「中書省腹裏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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