世界大百科事典(旧版)内の中立音程の言及
【音程】より
…そしてこれを基にして3/4音(つまり日本でいう1律半)や7/4音(すなわち3律半)といった特殊な音程も西アジアの音楽ではごく普通に実用される。前者は洋楽の短2度と長2度の中間の音程,すなわち〈中立2度〉,また後者は短3度と長3度の中間つまり〈中立3度〉であり,これらが〈中立音程〉と呼ばれることもある。また古代インドでは,1オクターブを22等分し,その最小単位(シュルティ)を二つ,三つまたは四つ組み合わせたもの(つまり2/22,3/22,4/22の3種)を基本的な音程として音階を構成する。…
【音律】より
…したがって1オクターブは二つのテトラコルドと1大全音,すなわち,(L+L+C)+(L+L+C)+L+(L+L+C)+(L+L+C)+L+(L+L+C)の17律から成るとする。ここでは西アジアに特有な中立音程(例えば〈ザルザルの中指〉や〈ムジャンナブ〉)がL+C(=114セント)とかL+L(=180セント)の音律で理論づけられる。しかし19世紀になって西洋の平均律を基礎とし,その半音をさらに2等分にした24等分律がレバノンのムシャーカ(1800‐88)によって唱えられ,これが今日の西アジアの音楽の実践面に大きな影響を及ぼしている。…
※「中立音程」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」