中統元宝交鈔(読み)ちゅうとうげんぽうこうしょう

世界大百科事典(旧版)内の中統元宝交鈔の言及

【交鈔】より

…この背景には,素材としての銅の涸渇,そしてとりわけ宋以降の都市内における貨幣経済の普遍化,専売制の強化による信用経済の確立などの要因があった。1260年(中統1),銀を鈔本(兌換準備金)に中統元宝交鈔(10文から2貫文までの9種)が発行されたが,運営に当たっては,鈔発行の中央官庁として交鈔提挙司が置かれ,下部機関の抄紙房・印造局でそれぞれ製紙,印造が行われた。このほか銀との兌換や,新鈔と旧鈔との交換のために,各地に交鈔庫(行用庫)や平準庫も設けられた。…

【包銀】より

…地方税的性格の濃いこの科差を一括して定額銀納の国税に改める動きは,すでに太宗皇后の監国時代の財務長官アブドゥル・ラーマンの七両包銀制として提出されたが採用されず,彼の失脚後その官を継いだヤラワチにより,1251年(憲宗1)六両包銀制として実施された。六両包銀は55年に4両に減ぜられ(うち2両は銀納,他は物納を許す),さらに世祖中統元年(1260)の中統元宝交鈔発行とともに全額紙幣納(銀1両を以て交鈔2貫に当てる公定レートに従う)に改められて元朝一代を通じ漢地の民戸に課せられた(両税法を施行された江南では宋以来の免役銭がその中に含まれているので科差の2大項目糸料・包銀はともに課せられない)主要公課の一つをなした。【愛宕 松男】。…

※「中統元宝交鈔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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