五会念仏(読み)ごえねんぶつ

世界大百科事典(旧版)内の五会念仏の言及

【念仏】より

…智光曼荼羅,当麻(たいま)曼荼羅などがそれである。平安時代初期に最澄の弟子円仁(えんにん)が,唐の法照(ほつしよう)がはじめた五会(ごえ)念仏の流れをくむ五台山念仏三昧法を比叡山に移し,常行三昧(じようぎようざんまい)を修したが,五会念仏は5種の音声からなる音楽的な称名念仏であった。常行三昧は不断念仏といわれ,各地に普及したが,比叡山の不断念仏は〈山の念仏〉として有名となった。…

【法照】より

…生没年不詳。南岳承遠の高弟で,8世紀後半の代宗・徳宗の治世に,五台山,太原,長安の各地で,五会念仏という音曲的な弥陀念仏教を宣布し,浄土教伝道史上に道綽(どうしやく),善導に比肩すべき教化の成績をあげ,〈後善導〉の称もある。法照の五会念仏讃の教えは,法照が住した五台山の般舟道場を巡礼し影像をも拝した円仁によって日本に伝えられ,比叡山常行堂を中心に平安時代に流行した。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」