世界大百科事典(旧版)内の五右衛門物の言及
【石川五右衛門】より
…【岩沢 愿彦】 石川五右衛門の実在は疑えないところであるが,〈義賊五右衛門〉の名と人間像が広く定着するにいたったについては,江戸時代の大衆芸能の影響が大きいとされる。浄瑠璃では元禄以前に早くも五段構成の《石川五右衛門》ができており,その後,歌舞伎や浄瑠璃には《釜淵双級巴(かまがふちふたつどもえ)》《金門五山桐》など〈五右衛門物〉と通称される,おびただしい作品群が形成されていった。これをもってしても,歌舞伎や浄瑠璃の舞台で五右衛門の人間像が育成された事実が了解されよう。…
※「五右衛門物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」