世界大百科事典(旧版)内の人工ペースメーカーの言及
【刺激伝導系】より
…このような刺激伝導系の異常は,興奮に伴う活動電位に変化をもたらすので,心電図から診断することができる。重い房室ブロックで心機能が侵されたとき,人工ペースメーカー(心拍動のリズムをもつ電気的反復刺激装置)を用いて補償することができる。心臓心電図【入沢 宏】。…
【ペースメーカー】より
…スポーツ用語としてのペースメーカーは,陸上競技の中距離以上の競走や自転車競走などにおいて,先頭を走って,他の選手を引っぱり,他の選手にとって記録をつくる目安になる人をいうが,ここでは心臓ペースメーカーについて述べる。すなわち,心臓の動きには一定の調律(リズム)があり,この調律の異常のために生命あるいは日常生活に支障をきたす場合には電流で心筋を刺激して調律を整えてやる必要があるが,この電流による心筋刺激装置をペースメーカーという(なお正常のヒト心臓では洞房結節がペースメーカーとなって心臓の調律を支配しているので,この人工臓器の名称は厳密にいえば人工ペースメーカーである)。ペースメーカーは古くは1932年ハイマンHyman(アメリカ)によって試みられており,短期体外式心筋ペースメーカーは57年ワイリッチWeirich(アメリカ)によって,また長期体内植込み式ペースメーカーは60年チャーダックChardack(アメリカ)によって人体に使用され,以後はペースメーカー各部に改良が加えられて今日に至っている。…
※「人工ペースメーカー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」