ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「仏所行讃」の意味・わかりやすい解説
仏所行讃
ぶっしょぎょうさん
「ブッダチャリタ」のページをご覧ください。
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…インドの文学は言語の上からも宗教的背景の上からもきわめて複雑である。かつてインドに行われ,また現在行われている言語は多種多様であるが,それらのうち文学を発達させた言語はインド・ヨーロッパ語族系とドラビダ語族系に大別される。ドラビダ民族の歴史は古いが,その文学は紀元前にさかのぼるものはない。これに反しインド・ヨーロッパ語の文学は過去4000年の長きにわたり,インド文学の主流をなしている。インド文学史は言語史の上から,古代のベーダ文学,中古の古典サンスクリット文学,近世の諸地方語文学に分けられる。…
…しかし,仏陀を超人的存在とみなし,多くの説話や比喩を挿入するなど,パーリ語のそれとは趣を異にする。2世紀に出現した仏教詩人アシュバゴーシャ(馬鳴(めみよう))の《ブッダチャリタ(仏所行讃)》は,この傾向をいっそう推し進め,仏伝を一大文学として確立した作品で,高く評価されている。《サウンダラナンダ》《シャーリプトラ・プラカラナ》《大荘厳論経》なども馬鳴の巧みな文学的修辞によって書かれており,インド古典文学の先駆的意義をもつ文学作品として重要である。…
…カニシカ王(在位128‐153)の宗教顧問になってからは,王とともに月支国に行き,仏教をひろめ,功徳日(くどくにち)と敬称された。また,のちのグプタ朝において進められた仏典のサンスクリット語化の先駆者として,カービヤ(宮廷詩)調による釈迦の伝記《ブッダチャリタBuddhacarita》(漢訳名《仏所行讃》)を作った。釈迦をたたえる仏教詩人としては,このほかに,《犍稚梵讃(けんちぼんさん)》《大荘厳論経》《サウンダラナンダ》,そして戯曲《シャーリプトラ・プラカラナ》などを書いた。…
※「仏所行讃」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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