ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「仮声帯」の意味・わかりやすい解説
仮声帯
かせいたい
「前庭ヒダ」のページをご覧ください。
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…喉頭の内壁はこれらの軟骨や筋肉でつくられ,その上を粘膜がおおっているが,喉頭のほぼ中央の高さで粘膜が左右の側壁から盛り上がり,ひだ状の隆起となっている。このひだは上下2対あり,上方を仮声帯,下方を声帯といい,声帯の内部には甲状披裂筋が含まれている。これらの筋肉はすべて迷走神経枝(反回神経および上喉頭神経)により支配され,声帯を動かして声門を閉じたり開いたり,また緊張の度合を変えたりする働きをもつ。…
…すなわち発声時には,左右の声帯が相近づき,声帯に適度の緊張を与えることにより,気管内を上昇してくる肺からの呼気が声帯振動を励起するための条件を満たすこととなり,声の音源を生ずる。また嚥下時には,声帯よりも上方にある,もう1対の粘膜ひだである仮声帯とともに括約的な閉鎖を行い,喉頭蓋とともに,食物塊が気道に迷入するのを防ぐ作用を併せもつ。一方,気道系という観点からは,上気道,下気道の中で,声帯に挟まれた声門という部位はもっとも狭いところであるが,吸息時には声帯は外転し,声門抵抗を小さくして効率よく空気を下気道へ送り込む役割を担っている。…
※「仮声帯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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