世界大百科事典(旧版)内の伝神写貌の言及
【肖像】より
…そこでは像主との相似性(肖似性)が当然要求されたが,たんなる外見上の相似にとどまらず,内面的な全人格,境涯の表出も不可欠であった。このような外見上の写実と内面への迫真を〈伝神写貌(でんしんしやぼう)〉と称し,肖像の価値判断の基本概念を成立させたのである。顧愷之は〈伝神とは精神を伝えることであり,写貌はそのための手段である〉とし〈眼は心の窓〉として,真なるものを表現するためには〈点眼(てんがん)〉(瞳を描き入れること)を肖像画制作第一の課題とした。…
※「伝神写貌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」