世界大百科事典(旧版)内の位牌分けの言及
【家筋】より
…一つは原則として家代々の家長とその配偶者をまつる型であって,この型の位牌祭祀においては父系単系的な家筋が強調され,財産相続における家筋と一致する。いま一つの型は民俗慣行としては〈位牌分け〉に代表されるように,限定的にせよあるいは無限定的にせよ母方や妻方の家族の先祖の位牌を何らかの形で祭祀する型である。とくに西南日本の家族や都市家族にあっては超世代的に母方や妻方の位牌をまつる例がしばしばみられる。…
【隠居】より
…位牌祭祀をはじめとする祖先祭祀を隠居と主屋のいずれが担当するかはまちまちであり,現実的に仏壇がどちらに置かれるかも地域差がある。伊豆利島のように位牌分けによって双方で位牌祭祀を行う例もある。隠居制家族においてこのような主屋と隠居屋の生活分離ばかりでなく,盆や正月における共食や隠居娘・隠居息子などを通じて連帯関係を保持している。…
【兄弟∥姉妹】より
…この差は一子残留制を基本とする日本の直系型家族において一般的であり,通過儀礼などの遂行にあたってこの差がよくあらわれる。これに対して均分相続制は兄弟間の格差をつけない相続制度であり,位牌祭祀形態のひとつである〈位牌分け〉(親の位牌を子ども全員がもつ慣行)もこれに類似した意味をもつといえる。レビレート婚とソロレート婚はそれぞれ兄弟間と姉妹間の一体性を強調する制度である。…
※「位牌分け」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」