便銭(読み)びんせん

山川 世界史小辞典 改訂新版 「便銭」の解説

便銭(べんせん)

飛銭(ひせん)

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の便銭の言及

【紙幣】より

…もちろん,等価流通の強制下においても両者に価値差の生ずるのは当然であるから,やがては政府自身紙幣を発行することをやめ,発行を必要とする場合には,発券銀行(中央銀行)を利用し,まず公債を発行して,これを銀行に引き受けさせ,これを保証準備として銀行券を発行せしめ,所要資金を調達する方法をとるにいたる。 信用券の発生は相当古く,すでに9世紀中国唐の憲宗(在位805‐820)時代に民間に送金を目的とする飛銭または便銭と称する手形の使用があった。10世紀宋代には四川の富豪によって発行された交子(こうし)と称せられる一種の約束手形が携帯に不便な鉄銭に代わって通貨として流通したという。…

【手形】より

…後世の三聯単(れんたん)つまり文書の右片を自家にとどめ,中片を受取人に渡し,左片を支払人に送る為替手形の原型である。宋代では便銭といって官私で盛用した。清代では会票,のち匯票(わいひよう)といい,業者を票号,票荘,匯兌荘(わいだそう)と称し,山西商人の山西票号は金融界を制し,手形,預金,貸出しで巨富をなした(匯は水の回流を指す)。…

【交子】より

…交子は銭財を交付したことを示す証票という意味の呼称である。中国で手形の利用が盛んになるのは唐代からで,唐の長安には寄附鋪,櫃坊(きぼう)などと呼ばれ,他人の銅銭や金銀絹帛などの貨幣的物貨を預って預り手形を発行する業者がいて,その手形が市中の取引に用いられ,また長安と地方大都市とのあいだの送金為替手形の取組み(便換,便銭,飛銭)も盛んであった。宋代になると寄附鋪は州・県などの都市にも普及し,したがって手形も普及した。…

【商業】より

…銭票と銀票とがあり,現金同様に扱われたが,とくに銀票は商取引に重用され,額面数千両に及ぶものもあった。また,貨幣を遠方に送る方法として手形を用いることも唐代以来行われ,飛銭と呼ばれたが,宋代には便銭,兌便などといわれた。明・清時代になると会票,のちに匯票(かいひよう)と称し,やがて業務が専門化・大規模化して票号が誕生すると,全国の主要都市に巨額の現金が託送できるようになった。…

※「便銭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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