世界大百科事典(旧版)内の個人映画の言及
【アンダーグラウンド映画】より
…初期のアンダーグラウンド映画には,〈アバンギャルド〉のパターンとして作家自身の魂の投影である(マヤ・デレンのようにみずから演ずることも多い)主人公が,〈夢遊病者のように禁じられた風景のなかをさまよう〉(アラン・シトニー)イメージが現れた。 おりしも16ミリ機材とフィルムの普及によって(16ミリ機材と不燃性の16ミリのリバーサル・モノクロフィルムが出現し,その現像所が世界各地に普及し始めたのが1923年である),世界的にホーム・ムービーの全盛時代を迎えていた事情とあいまって,若者たちはいっきょに〈もっとも個人的なテーマをもっとも個人的手段によって表現するメディア〉としての〈個人映画〉に傾倒していった。この傾向は,第2次世界大戦中に慰問用に軍が使った16ミリカメラと映写機の払下げによって機材が入手しやすくなったためにいっそう助長された。…
※「個人映画」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」