倭錦(読み)やまとにしき

世界大百科事典(旧版)内の倭錦の言及

【織物】より

…これらの新たな織物類は主として公家装束の料として開発され,重用されたが,反面,織部司の弱体化にともなって,その技術は総体的に低下していった。前代のきわめて精緻な緯錦が,倭錦(やまとにしき)と呼ばれる簡略な技法のものに変化していったのはその一例である。意匠も,前代にみられた大柄で多彩,華麗な意匠は少なくなり,一般に小柄で単彩か3,4色どまりの意匠となってきた。…

【錦】より

… 日本においても奈良時代以降に織製された錦は,すべて緯糸によって文様を織りだす緯錦の系統のものになっている。中世以降には日本独特の〈倭錦(やまとにしき)〉や〈糸錦(いとにしき)〉と呼ばれる錦が作製されているが,〈倭錦〉はふつう地も文様も緯6枚綾組織としたもの,〈糸錦〉は絵緯(えぬき)を表裏とも別搦み糸で押さえたものをさしている。【小笠原 小枝】。…

【有職織物】より

…公家階級で製作され用いられた織物。本来,有職とは有識であって,公家と呼ばれるようになった平安時代以来の貴族の間で,〈学識豊かな〉とか〈教養高い〉という意味に使われた語である。しかし,鎌倉時代以後,〈有職〉は,過去のものとなった律令制を理念とし,洗練化し様式化した公家文化の保持に努めて,儀式,年中行事,官職,位階,殿舎,調度,輿車,服装,食事,遊宴などの知識または研究を指すこととなり,さらに公家の規範,法式という意味にまで広げられ,〈識〉の字も〈職〉に変わった。…

※「倭錦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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