世界大百科事典(旧版)内の僧帽弁閉鎖不全の言及
【心音】より
…例をあげれば,学童検診で,第4肋間胸骨左縁でI音からII音に続くような強い雑音があり,それが右の胸壁のほうへ放散しており,またII音から離れて短い遠雷音があるときには,先天性心疾患の心室中隔欠損があると診断することができる。また成人でI音からII音まで続く雑音があり,それが左側胸部から背部に放散していれば僧帽弁閉鎖不全と診断できる。これらの例でわかるように,心音,心雑音の解析によって多くの先天性心疾患,心臓弁膜症を診断することが可能である。…
【心臓拡張】より
…心臓弁膜症などの心臓の病気や,極端な過労,貧血などによって,心臓に負担がかかることによって起こる。たとえば,僧帽弁狭窄症では左心房の血液が十分左心室へ流れなくなり,僧帽弁閉鎖不全では左心室の血流が左心房に逆流する。このようにして左心房に血流がたまると内圧も上昇し,左心室が拡張する。…
【心臓弁膜症】より
… 非リウマチ性弁膜症のなかには,さらに他の心血管疾患に伴う続発性の弁膜症がある。慢性に経過した高血圧症で大動脈弁閉鎖不全が起こったり,左心室が拡張する拡張型心筋症によって僧帽弁閉鎖不全が起こる場合がその例であるが,これらは高血圧や心筋症の治療によってそれぞれ血圧が低下したり,左心室内腔が正常化したときには弁の閉鎖不全も軽快,治癒する。その意味で続発性弁膜症あるいは二次性弁膜症という言葉が用いられる。…
※「僧帽弁閉鎖不全」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」