六訂版 家庭医学大全科 の解説
先天性ビリルビン代謝異常症(クリグラー・ナジャール症候群)
せんてんせいビリルビンたいしゃいじょうしょう(クリグラー・ナジャールしょうこうぐん)
Inborn errors of biliRBin metabolism (Crigler-Najjar syndrome)
(子どもの病気)
どんな病気か
ビリルビンは、主に老化した赤血球のヘモグロビンから生成されます。血液中ではアルブミンと結合し、肝臓に運ばれグルクロン酸
クリグラー・ナジャール症候群は、ビリルビンのグルクロン酸抱合酵素の異常により、間接ビリルビンが体内にたまる病気です。
原因は何か
ビリルビンのグルクロン酸抱合酵素の遺伝子異常による
症状の現れ方
日本人の多くは、正常の場合でも新生時期には新生児
Ⅱ型では、黄疸が新生児期から持続したり、1歳以降に現れます。便の色調は正常です。
検査と診断
血清関接ビリルビン値の上昇および胆汁中のグルクロン酸抱合ビリルビンの低値により診断されます。また、フェノバルビタールを投与すると、Ⅱ型ではビリルビンが低下し、Ⅰ型との見分けに有効です。最近では、遺伝子診断を専門施設に依頼することも行われています。
治療の方法
Ⅰ型では、核黄疸を避けるのが目標です。間接ビリルビンを下げるために、光線療法を行ったり、ビリルビン合成を抑えるための薬剤、便への排泄を促すための薬剤を投与します。しかし、成長とともにこれらの治療効果が低下し、最終的には肝移植療法が必要になります。Ⅱ型では、フェノバルビタールの投与が有効です。
病気に気づいたらどうする
新生時期には小児科医に、以降は肝疾患の専門医か先天性代謝異常症を専門とする医師による診察がすすめられます。
早坂 清
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報