公共貸与権(読み)こうきょうたいよけん(英語表記)public lending right

知恵蔵 「公共貸与権」の解説

公共貸与権

図書館の蔵書が利用者に貸し出しされたとき、著作者が一定額の報酬を受け取れる権利。英国、ドイツ、オランダなどヨーロッパ十数カ国が国家基金などを設けて公貸権制度を導入。主に公共図書館における貸し出し冊数や著者別出版タイトル数に準じて報酬を支払う。日本では、複本購入問題と関係付けて著作者団体等が公貸権導入を提議。日本文藝家協会は02年に「図書館による無償の図書貸し出しによる著作者の経済的損失への補償制度としての公貸権実現と国家基金設立」を文部科学省と文化庁に要望。追って05年、文藝家協会、推理作家協会ら作家5団体が公立図書館貸出実態調査をもとに国と地方自治体に対し、図書館の今後についての共同声明を出して図書館予算の増大図書館司書増員、国家または公的機関による「著作者等への補償制度の確立」を求めた。

(村上信明 出版流通ライター / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

図書館情報学用語辞典 第5版 「公共貸与権」の解説

公共貸与権

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