公界寺(読み)くがいでら

世界大百科事典(旧版)内の公界寺の言及

【中世社会】より

… もとより下人の境遇は,《山椒大夫》の安寿・厨子王の運命に象徴されるように過酷なものがあったが,一方には捨子や身寄りのないものを養い保護する慣習もあり,下人の実態は,永続的ではないとしても家族をもち,主から給与された田畠を耕作するなど,平民とさほど異ならないところもあったのである。また下人はしばしば,前述した仏神領などや,戦国期に〈無縁所〉〈公界寺〉などといわれた寺院をはじめ,市・町などのアジールに逃亡し,主を変えることもあった。主は曳文に,いかなる場においてもその身を捕らえうるという担保文言(もんごん)を書かせ,南北朝期になると,領主たちは相互に契約を結び,逃亡した下人の相互返還(人返し)を行うなど,下人の掌握につとめている。…

※「公界寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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