公議輿論(読み)こうぎよろん

世界大百科事典(旧版)内の公議輿論の言及

【公議政体論】より

…幕末・維新期に,欧米の議会制の知識を導入し,会議制度によって権力の再編ないし新しい統一をはかろうとした国家権力構想をいう。外圧と幕藩体制の矛盾によって崩壊の危機に面した徳川幕府は,公議政体論によって権力の再編成(再集中)をはかろうとしたが,幕府倒壊後は天皇への新たな権力集中を企図した維新政府が,〈公議輿論〉をスローガンとした公議政体論の制度化によって,支配の拡大と正当化を試みた。 老中阿部正弘は1854年(安政1),国家的危機克服のため意見を諸侯・有司に問おうとした。…

【世論】より


[歴史]
 世論は以前は〈輿論〉と表記され,古来,中国で輿(かご)かきのような庶民が政事について述べる意見や議論を意味した。表記が簡略化されて現在のように〈世論〉と改められるに従い,今日では〈せろん〉と発音され,世間一般の論と解されることも多い。また明治以降,この語が欧米の政治理論におけるpublic opinionの訳語として公論と並んで用いられるに従い,そこに政治が準拠すべき公衆publicの意見だとか世論調査に表れた有権者の態度だとかの欧米政治理論の意味がつけ加わり,その内容は多様化している。…

※「公議輿論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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