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冠動脈バイパス術 かんどうみゃくばいぱすじゅつ CABG(Coronary Arterial Bypass Grafting)

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知恵蔵2015の解説

冠動脈バイパス術

加齢などが原因で冠動脈が狭くなったり(狭窄(きょうさく))、詰まったり(閉塞(へいそく))したときに、異常の見られる箇所に代わりの血管をつなぎ血流の迂回(うかい)路をつくる手術のこと。狭心症心筋梗塞(こうそく)といった虚血性心疾患の治療法の一つで、薬物療法カテーテル療法での治療が困難な場合などに選択されることが多い。
迂回路をバイパスといい、これに用いる代わりの血管をグラフトという。グラフトとして利用されるのは現在のところ、肋骨(ろっこつ)内側にある内胸動脈や胃の脇を通る胃大網動脈など患者本人の血管であることが多い。人工血管研究開発も進められているが、術後、グラフトが狭窄や閉塞を起こさずに機能し続ける割合(グラフト開存率)を比較すると、本人の動脈を用いた場合のほうが結果が良い。
手術は全身麻酔の上、開胸して行われる。手術に要する時間は、病変の位置や吻合(ふんごう)する血管の数にもよるが、だいたい4~5時間である。
心臓の手術は通常、心臓を通る血液をいったん人工心肺装置に還流し、体の外で血液を循環(外部循環)させながら拍動を止めた状態で行われる。冠動脈バイパス術においても当初はもっぱら人工心肺装置を用いて行われていたが、人工心肺装置の使用に由来する術中死・術後死や後遺症リスクが避けられず、患者の身体への侵襲性も高いことから、人工心肺装置を使わずに処置する方法が模索され続けてきた。拍動を部分的・一時的にコントロールするスタビライザーが開発され、手技が進歩したことなどにより、1990年代後半から次第に人工心肺装置を使わずに行う方式が普及してきている。人工心肺装置を「pump」といい、これを使わずに手術するということから、この方式はオフポンプ(off-pump)といわれる。日本冠動脈外科学会アンケート調査によると、2010年に行われた冠動脈バイパス術のうち、その患者に対して初めて行われる心臓外科手術で、かつ緊急ではなく計画的に実施されたものについては、約65%がオフポンプで行われている。12年2月に狭心症の治療のために天皇陛下が受けられた手術は、オフポンプでの冠動脈バイパス術だった。
回復が順調であれば2週間程度で退院となる。術後の合併症として、胸水、無気肺、心房細動などが現れることもあるが、術前術後に心肺リハビリテーションを行うことによってリスクを抑えることができるとされている。

(石川れい子  ライター / 2012年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

かんどうみゃく‐バイパスじゅつ〔クワンドウミヤク‐〕【冠動脈バイパス術】

シー‐エー‐ビー‐ジー(CABG)

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
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