世界大百科事典(旧版)内の刈桑仕立ての言及
【クワ(桑)】より
…しかし,この場合にも依然として本田畑以外の土地を利用した桑林,桑原の造成が奨励されたのであり,仕立ても今日でいう立通し(たてとおし)の立木作りが一般的であった。立通し(枝条の剪定(せんてい)をしない)仕立ては刈桑仕立てにくらべて収桑量が少なく,摘桑にはより多くの労力を要するが,養蚕規模が小さい段階では,このような点での認識よりはむしろクワの寿命が長く,耐寒性に勝る立通しの長所が採用されていたのであろう。17世紀末期の農書《農業全書》には,桑苗の生産技術から根刈仕立ての栽桑法に至る高度の技術が解説され,日本における刈桑仕立てを元禄期(1688‐1704)以降とする説に有力な根拠を与えている。…
※「刈桑仕立て」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」