初音蒔絵三棚(読み)はつねまきえ

世界大百科事典(旧版)内の初音蒔絵三棚の言及

【江戸時代美術】より

…それは,ある意味では室町水墨画の世界への回帰といってよいものである。高台寺蒔絵の制作にかかわった幸阿弥家が,尾張徳川家のためにつくった《初音蒔絵三棚》(1637)は,室町時代の高蒔絵の手法に戻った細緻で技巧的なものであり,その手法,題材は狩野山雪の《雪汀水禽図屛風》に共通する。いわゆる慶長小袖と呼ばれる染織の意匠は,桃山期小袖に続いて江戸初期にあらわれるもので,桃山小袖とは違った複雑な文様の構成と黒を生かした色調に内面的な感情がこめられている。…

※「初音蒔絵三棚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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