世界大百科事典(旧版)内の刺客列伝の言及
【刺客】より
…〈せきかく〉とも訓ずる。さしむけられる刺客の数は,ねらわれる相手の社会的状況や刺殺の方法によって実際にはさまざまであろうが,司馬遷が《史記》の中で〈刺客列伝〉を作って取り上げているのは,主君と最も深い信頼関係にある1人の人物が,刺客としてほとんど単身で死地に赴く場合である。なぜなら,極秘の計画を絶対にもらさず,厳重な警戒を突破して相手に近づくためには,それに耐えるに足る沈着さと勇猛心を兼備し,最も信頼できる人を選ぶ必要があったからであり,また大事を付託された人物は,その信頼にこたえて〈士は己を知る者のために死す〉という信義を貫こうとする。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」