世界大百科事典(旧版)内の前ジテの言及
【シテ】より
…狂言もまた,まれに独り狂言と称し,登場人物はシテ一人だけという曲がある。前後2場から成る能では,前ジテ・後ジテと呼び分ける。前ジテと後ジテは《三井寺》の狂女のように,まったく同一人物である場合と,《井筒》で前ジテの里女(さとおんな)が後ジテの紀有常の娘の霊の化身であるというような場合と,また《船弁慶》の前ジテが静御前で後ジテが平知盛の霊というようにまったく別人物である場合もある。…
【能】より
…夢幻能には定型がある。現在体の人物(ワキ)が,ある土地で化身体の人物(前ジテ)に出会う。後者はその土地にまつわる物語りをして,最後に本体をほのめかして消える(中入(なかいり)。…
※「前ジテ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」