世界大百科事典(旧版)内の前衛写真研究会の言及
【前衛写真】より
…この当時〈前衛〉とよばれた写真家たちは,モンタージュ,コラージュ,多重露光,フォトグラムなどのテクニックを駆使して,幻想的な傾向の作品を生みだしたばかりではなく,安井仲治の写真のように強い主観性に根ざしたリアルでストレートな写真をも生み出していった。また東京では,当時は写真評論家としても指導的立場にあった美術評論家で詩人の滝口修造らを中心として,1938年(昭和13)に〈前衛写真研究会〉も設立されている。シュルレアリスムの紹介者でもある滝口修造は,幻想的・抽象的な傾向だけではなく,それと対立するようなストレートで記録的な写真の中にもそれに通底する新しい写真の表現を見ようとしていた。…
※「前衛写真研究会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」