世界大百科事典(旧版)内の劣紳の言及
【郷紳】より
…20世紀初頭,光緒末年から中央の資政院,地方の諮議局などの議会が新設されると,地方の郷紳・紳士は議員となって進出し,辛亥革命に際しては,彼らが,清朝打倒を志向する広範な民衆のエネルギーを利用し,各地で立憲派としての政治活動を推進した。光緒末年から辛亥革命期にかけて旧来の科挙や学校制度が廃止されたのちも,郷紳や紳士の呼称は,国外の学校や国内の新設学校の卒業者をも含め,地域社会の支配層を意味するものとして用いられ,土地革命・土地改革の時期には旧体制の担い手として革命運動の側から劣紳と蔑称され,批判と打倒の対象とされた。 明・清時代の郷紳・紳士は,たしかに一般庶民とは異なる政治的社会的特権をもつ身分ではあったが,それは一代限りのものであり,ヨーロッパの封建領主や日本の武士のように代々世襲される固定的な身分ではなかった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」