世界大百科事典(旧版)内の労働補償上積み協定の言及
【労働者災害補償保険】より
… 労働者災害補償保険法の保険料は,災害発生度に応じた保険料率によって使用者の負担を定める,いわゆるメリット制によっており,災害発生度の高い,危険の多い産業・企業の負担を多くする方式をとっている。 労働者災害補償保険法は,国営社会保険方式による強制適用を中心に,定型の最低限の補償を行うもので,被災者の心身の全損失をカバーするものではないことから,集団的な労使当事者の〈労働補償上積み協定〉などによって,労働者災害補償保険法の法定給付に加え,企業による〈上積み給付〉を行うことが広くみられる。 なお,企業の無過失責任原則に基づく労働者災害補償保険制度による法定給付と,企業の故意や過失責任に基づく労働災害に対する損害賠償責任制度とは,原因が同一であっても法的性格が異なり,加えて,前者の法定給付が定型・低額であることから,被災者の物質的・精神的損害の完全な回復を求めて,労働災害に対する損害賠償請求のために訴訟の提起(労災裁判)が広くみられる。…
※「労働補償上積み協定」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」